内科医を受診するときに

内科医の第1の仕事は、正しい診断を付けることです。
そのためには受診される貴方のご協力が不可欠です。
診察で一番大切なのが問診で、次に身体所見です。これでたいていは診断がつきます。有名なオスラーという先生は
"Listen to the patient, he is telling you the diagnosis"
(患者さんの訴えを良く聞きなさい、患者さんは医師に診断名を告げていますよ)
と述べて、問診がいかに診断にとって大切であるかを強調しています。

診察時間が限られていることが多いので、要領よく短時間で情報を集めなければなりません。
どういう症状(主訴)が、何時からあるのか(現病歴)、感じたままを貴方の言葉で伝えてほしいと思います。
過去にどんな病気・怪我・入院をしたか(既往歴)、家族にどんな病気があるのか(家族歴)も大切です。
それから医師は頭のてっぺんから足の先まで貴方のsystemに何か異常はなかったか(system review:系統的問診)をしますが、これは訴え〈陽性所見〉のみに捕らわれず、訴えの裏を取る〈陰性所見を確認する〉ために大変重要な問診のステップです。
そして問診所見を元に身体の診察(理学所見)をします。

主訴、既往歴、身体所見が揃うと、症状を説明できる疾患は何か?鑑別診断をします。
大切なことは、バラバラに見える所見が、実は1つの原因(病気)で説明が付くかどうか、既往症との関係までさかのぼって考えます。
バラバラに見えたものが繋がる(sequence of events)と、問診所見(症候)と身体所見との結びつきが現れてきて正しい診断に繋がるのです。

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