良い内科医とは

なかなか難しい質問ですが、「患者さんの話が良く聞けて、正しい医学知識を持ち、的確に診断・治療が出来る医師」ではないでしょうか。
聖路加国際病院理事長の日野原重明先生は、「アートが6でサイエンスが4」ないと臨床医にはなれないと述べておられます。
アートとは文科的な才能であり、サイエンスとは医学的(理科的)な能力です。
医学知識だけでは病気は治せても、心は直せない。
一方、アートだけ秀でていても、サイエンスが乏しければ最悪です。

医療はどんどん変化しています。
以前は経験(experience-based)に基づいた治療が行われていましたが、1980年代後半から血圧や糖尿病の治療薬が進歩したので治療目標を設定して治療が出来るようになり、疫学調査でどの治療が良いのか根拠エビデンスに基づいた治療(evidence-based medicine)が行われるようになりEBMと呼ばれています。
ところが、データだけを重視するEBMへの反省から、患者さんの話をよく聞くnarrative-based medicine が強調されるようになりました。

この流れのように、よい医療とは、「多くの経験を蓄積し、エビデンスを重視して、患者さんの話をよく聞くこと」、その上で「正しい診断の元に、治療法を定め、患者さんに治療目標をよく説明すること」だと考えています。

医療は医師と患者の良好な関係で成り立つものです。
医師も所詮はヒトの子で全能の神様でもありませんし、患者さんもヒトの子で、よい患者であることは難しいことです。
医師と患者の相性が良いと医療はスムーズにいきます。
相性のよりドクターを「かかりつけ医」として、なんでも相談されると良いと思います。

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