名古屋内科医会会長 安藤 忠夫
1963年創立の名古屋内科医会は本年創立60周年を迎えました。これまでを振り返りますと(図)、1993年の創立30周年には、『300回・創立30周年記念特集』の小冊子が発刊され、「例会300回に寄せて」と題した寄稿集が掲載されています。2013年には創立50周年を迎え、「創立50周年記念座談会」を開催して、その記録を会誌第142号に掲載しています。それから早10年を経過して60周年の今日に至っています。
創立時のことは、毛利孝一先生が30周年記念特集の「草分けの頃」に記載され、それによると、設立の経緯は、当時の名古屋市医師会長から、各科の分科会を組織するので「君、会長になってくれ」と、毛利孝一先生に電話があったことに始まり、翌年の1963年(昭和38年)3月29日に愛知県医師会館で名古屋内科医会の設立総会が開催され、当時の会員数は約350名と記載されています。
太田 宏会長の後任として私が就任したのは2010年で、その翌年の第49回総会において「会員数の動向」を示しましたが、1991年の会員数は580人で、これがピークであったと思われます。20年後の2011年には370人、その10年後の2021年には242人と減少し続けています。およそ、10年で100人、つまり1年で10人の会員減少が続いています。2011年第49回総会では、会員数の減少と財政危機について述べ、その後、例会講演を減らし、会誌発行を年2回に減らし、理事会開催を2カ月に1回に減らすことになりました。
会員減少の要因としては、会員の高齢化に伴う退会、逝去もありますが、その他にも内科医の専門医化、企業による講演会の開催、ITによる情報革命と医学情報量の急激な増大などの社会的要因が影響していると思われます。対面での講演会に依存してきた生涯教育・自己研鑽・学会参加は、対面からオンラインのWEB学習へとシフトし、ポスト・コロナへのディジタルトランスフォーメーション(DX)があります。
このような状況の変化により、会員増強と理事会においても役員交代の在り方や理事者の役割分担の検討など、令和6年度に向けた体制づくりが急務となっています。
理事者並びに会員諸先生方のご支援・ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。
(2023年4月20日記)